日めくり栄養学

東大博士学生による結構まじめな栄養学

マーケティング目的の記載に注意(Detection of Gluten in Gluten-Free Labeled Restaurant Food)

ジョコビッチによって爆発的に広まったグルテンフリーは多くのレストランや食品の謳い文句になりつつある。人の中にはグルテンを消化することに対して過剰に反応したり消化できない人がいる、こういう人がグルテンをとると小腸粘膜機能がおかしくなる、実際には上皮細胞間から不要な成分が取り込まれたりする、これによる炎症によってさまざまな不調に繋がると言われている。

実際にはグルテンを普通に消化できる人が多いのでそんなに気にしないで問題ないが個人的には確認の意味で3週間くらい試してみるといいと思う。

今回紹介する論文によると、グルテンフリーを謳う食品の30%以上が実際にはグルテンを含んでいたとのころだ。ピザやパスタといった食品には50%以上の確率でグルテンが含まれているようだ。検出に用いた機器は5-10ppmのレベルでグルテンを検出するのでごく微量である可能性があるが、アレルギーと同様、少量で過剰に反応する人もいる。研究チームは用いた機器では特定の構造をもったグルテンしか検出できないので、実際にはより多くのグルテンが含まれていると考えられると述べている。

 

マーケティング文句に安易に使われるケースが多い世の中で、食品業界も厳しい検査を経て記載すること、そして消費者も正しく判断することが大切である。

 

参考文献

Benjamin A. Lerner, Lynn T. Phan Vo, Shireen Yates, Andrew G. Rundle, Peter H.R. Green, Benjamin Lebwohl. Detection of Gluten in Gluten-Free Labeled Restaurant FoodThe American Journal of Gastroenterology, 2019