日めくり栄養学

東大博士学生による結構まじめな栄養学

2019-03-01から1ヶ月間の記事一覧

Vitamin Dの取りすぎの危険性(Three doses of vitamin D and cognitive outcomes in older women: a double-blind randomized controlled trial.)

アメリカでは4人に1人が認知症であることが報告されておりこれにかかる医療費はおおよそ31億円以上と言われている。そんな脳機能との関係性が謳われている栄養素がビタミンDである。一般的には骨の形成に必要な栄養素として知られており、太陽光(に含まれる…

サプリメントの摂取で精神的落ち込みは予防できない

論文ではないが、ヨーロッパのMooDFOOD projectと呼ばれる研究活動で、栄養サプリの摂取が精神病の改善につながるかどうかを調べている。各ビタミンやミネラルを含むサプリメントを精神的落ち込みを発症するリスクのある肥満体質の被験者を対象に大規模な実…

Acute sleep loss results in tissue-specific alterations in genome-wide DNA methylation state and metabolic fuel utilization in humans.(睡眠不足が引き起こす組織特異的なメチル化及び代謝状態の変化)

疫学研究では肥満や2型糖尿病のような現代病は慢性的に睡眠不足な人々に多く見られるということが報告されている。睡眠不足自体やこれによる概日リズムの乱れが骨格筋量の低下および脂肪細胞の増加などに影響しているだろうと言われている。大切なのはこうい…

“Hyperglycemia induces skeletal muscle atrophy via a WWP1/KLF15 axis(糖尿病が引き起こす筋肉量低下のメカニズム)

恐らく博士課程では骨格筋の機能を栄養的観点よりひも解くことになりそうなので、筋肉の機能や背景などを知る為にも、この分野についての研究はこまめにチェックしていきたい。 筋肉の減少による活動能力の低下はサルコペニアと呼ばれ健康障害の1つとして知…

Sleep modulates haematopoiesis and protects against atherosclerosis (睡眠は造血機能を調節し、動脈硬化を防ぐ)

NatureやCellといった一流誌に掲載される学術論文は膨大な実験データ量と意義深さをきちんと読みとくべきであることは重々承知だが、まだラボに所属していないためこれらの論文はレビューサイトやアブストのみでの紹介になることをご理解いただきたい。 睡眠…

夕方の激しい運動は睡眠の質低下には繋がらない、かつ空腹感を減らしてくれる(The Physiological Society)

夕方や夜の激しい運動は覚醒状態や体温上昇を引き起こし結果として睡眠の質を低下させるのであまりよろしくないとの助言を耳にしたことのある人は多いだろう。しかしながら近年はこの真相を確認する研究が行われ、ほとんどの研究結果として「夕方の激しい運…

2/28 Antioxidant Balance and Regulation in Tomato Genotypes of Different Color(トマトにおける抗酸化物質の研究)

ポリフェノールなど自然由来の化合部が持つ抗酸化機能が着目されてすでに月日がたった。しかしながらフェノール基を2個以上持てばポリフェノールであり、その構造や化合物の種類は多岐にわたる。例えばアントシアニンであればアントシアニジンと呼ばれる基盤…