日めくり栄養学

東大博士学生による結構まじめな栄養学

マイオカイン最初の発見

運動が生体機能の向上に寄与することはほとんど自明であるものの、根底にある分子メカニズムについては未だ未知のことが多い。マイオカインは筋肉から分泌される生理活性をもつ物質の総称である。

 

最も早く発見され、その機能が最も調べられているのがIL-6である。IL-6は細胞外に分泌されて他の細胞に作用することでグルコースの取り込みや脂肪酸酸化を促進する機能を果たす。Paracrine(近接)作用に留まらず、Endocrine(内分泌)作用を持ち、肝臓においては脂肪分解や糖新生を誘導する。はたまた腸内細菌に作用したり、膵臓に作用してインスリンの分泌を調整する機能も報告されている。

IL-6の他にもIL-8やIL-15もマイオカインの1種とされている。